『ダイヤモンドドラッグストア2018.9.15 VOL.84』書評②
先日DD2018.9.15 VOL.84前半の感想を書いたので後半を。
特集 日本の未来!?米国ドラック2強時代
米国DgS業界のトップ2社のシェアは51%
市場規模3268億7900千万ドル
1位ウォルグリーン26.7%
2位CVSヘルス24.3%
3位ライト・エイド
その他44.2%
米国の人口は日本の3倍弱ですが
円換算でも35兆というと
日本のDgS市場規模7000億円とくらべて50倍あるわけですね。
さらにその市場の51%をトップ2社でとっています。
圧倒的パワー…!
面白いのは両者ともに売上構成比の半分が調剤だということ。
米国においてのDgSは1990年代にウォルマートなどのDS(ディスカウントストア)
にボコボコにされるも2000年代から上位の企業が復活という流れ。
売場作り
CVSは専門性を重視、ウォルグリーンは便利さと提案重視
興味深いレイアウトは専門性重視をかかげるCVS
入り口の対角線上に調剤室があり、入り口からそこまで弧を描き通っている点です。
道沿いに進むと調剤室に到達するので、わかりやすいなと思います。
調剤薬局中心のドラッグストアって印象。
対する便利さと提案重視のウォルグリーンは、日本のDgSのフォーマットと似ていますね。
ただし日本型と違うのは調剤室の位置が出入口の対局。CVSもそうなので
米国ではこれがスタンダートなのでしょう。(トップ2社でシェア51%だし)
ウォルグリーンはシンプルながらも、中央ゴンドラ内にシーズナル商品のうめこみを行っていて上手に商品提案を行っています。
戦略
両社ともクリニックや薬局買収したりとこのあたりのM&Aは
日本でもすすんでます(クリニックは買えないけど)
巨人ウォルマートとの差別化するために健康を前面にだして
CVSヘルスはヘルスケアに重点したばこの販売を廃止する徹底ぶり。
ウォルグリーンはグローバルを重点とし
スペシャリティ薬局(がん治療薬などを取り扱いのある薬局)とメールオーダーサービスを統合させた事業をだしたり。
それぞれちょっと違うポジション取りをしているようです。
新興勢力Amazonも処方薬を配送するピルパックというサービスを開始したりと
なかなか面白い感じ。
日本と米国で保険制度が大きく変わるため文化も異なりますが
アメリカ型の革新へすすむ感じは面白いですね。
企業淘汰の歴史
なぜ2社が生き残ったのか?
生き残ったDgSはコンビニエンスドラッグストアでした。
(150坪~300坪 小商圏2万人以下)
他にもスーパードラッグストアや
(650坪~2000坪 中商圏3~5万人)
ディープディスカウントドラッグがありますが。
(500坪~1500坪 中商圏3~5万人)
コンビニエンスドラッグストアは、天敵ウォルマートやフード&ドラッグ型SMとは戦いをさけ、CVSを喰って成長です。
日本にはフード&ドラッグ型SMみませんね。(私のうんこ観察力だと見れない仮説)
コンビニ&ドラッグの話はよく聞きます。
さて、CDgSが生き残りに大事だったのは3Sの徹底
・専門性(Specialty)
・便利性(Speed)
・接客性(Service)
一方、スーパーDgS、ディープディスカウントDgSのめざした
・ジェネラル性(雑貨屋食品を増やす)
・ディスカウント性(低価格)
は他のフォーマットに駆逐されました。
専門性を高めてコアコンピテンス(競合他社がマネできない核となる要素)を高めるため、と例えばウォルグリーンは予防接種を全米でいちばんやっているそうです。
強い。
日本でも各社が専門性を高めようとしてるのはここを目標にしているんでしょうね。
米国トップ2社のスローガンは『現状維持は衰退なり』
胸にささります。。