書評・感想『七つの会議』池井戸潤
こんにちは
インチキ薬剤師のカフェオレです。
今日は池井戸潤さん著作の『七つの会議』の感想を。
ドラマ化したものが全部あたっててスゴイ有名ですよね。
七つの会議も2018年2月1日から映画公開されると聞いて、胸躍らせて読みました。
今作は8つの短編からなるクライムノベル(犯罪小説)です。
1つ1つの話の断片が重なっていき・・・大きな問題となって浮き上がってくる。
定期的に経済ニュースに上がる「偽装問題」これがその終盤にかけて社内をゆるがす
大事件としてあがってくるわけですが
さて、サラリーマンとしてどこまで正直になれるか?と考えたとき
状況によってウソをつきうるものだと私は思います。
キングコング西野さんが以前、「ひとは状況によってウソをつく」
といってましてこの作品はまさにこれ!
テレビの食レポが大げさに、しかも好みの味じゃなくとも、美味しいと連呼するように
状況によってひとはウソをついてしまうものです。
会社がつぶれるようなレベルの問題が発覚したとき、正直をモットーとする企業人がどうするか?
また、このような事実を偶然にも知った場合、どうたちふるまうのか?
序盤からくすぶる煙と見え隠れする不穏な空気は後半にむけてノンストップできれいに炎上してくれて、ドキドキを楽しませていただきました。
タイトルにあるように、ここでは様々な会議がでてきます。
形だけの定例会議から、引っ張り合いの社内政治色の強い会議などなど。
不正も様々あるんですよ
社内設置の無人ドーナツの代金をちょろまかすとか
リコール隠しとか。
今回の主人公は万年係長の50歳、八角民夫(主人公とわかるのが後半です)
元敏腕営業だったのにいまは閑職。そのわけは、以前強引な方法で商品を売ったことにより
ひとつの家庭を崩壊させてしまったことで考え方を変え、出世をあきらめたから。
彼が告発者になるんですが、彼もまたサラリーマンとしての葛藤に悩むことになります。
色んなメンバーが上の決定に対しあれこれ思いながら従ってる、なんかサラリーマンってつらいなぁと思っちゃいました。